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嘘八百 [ことばの元気学]

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むかしむかし、ぼくは「嘘八百」という本を出しました。調子にのって、四冊も出しました。その四冊の中から、とくにぼくの好きなのを選んで、こんど一冊にして出しました。二度売りです。すいません。前に買ってくれた人は、買わないように。オビにそのことはちゃんと書いてありますが、もし間違って買ってしまったおっちょこちょいの方は、迷わず誰かに上げてくれるように。で、そのときは、「これ、けっこうおもしろいよ」とかなんとか、嘘八百を添えてプレゼントしてください。すいません。

この表紙のデザインは、若い友人の伊藤力丸くんです。力丸の力作です。で、この表紙の真ん中であかんべえをしているおっさんは、本文中にのっている「大熱病急活丸」のイラストです。そう、これ。

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これって、明治20年の朝日新聞にのった広告ですが、すごいでしょ。
大医・藤並大監先生の直伝で処方した名薬で、「通名・舌出し薬」。
コピーを読むと、このイラストの商標権問題で、他店と裁判で争ったすえ、この天田嘉助商店が勝ったんだって。

ま、古来、舌は健康状態のバロメーターみたいなもんで、お医者さんも診察のとき、患者に舌を出させたりするよね。だからこの絵は薬のイメージとつながるという点で、けっこうすぐれた商標かも知れない。それに、ユーモアもあるしね。
でもさ、大医・藤並大監先生の直伝処方だなんてえらそうにいったって、藤並大先生という人がどこで何をしている先生なのか、そのへんはいっさい説明がないから、どこまで信用していいものやら。昔も今も、権威に弱い庶民を釣るには、このテがいちばん効くんだろうね。

というわけで、「藤並大監先生」の名前にのせられて舌出し薬を買った人に、これは「藤並大先生、あかんべえをするの図」と、とれないこともない。
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