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大きいことはいいことか? [ことばの元気学]

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トヨタ自動車の豊田社長は、好きだ。会ったことはないが、アメリカ議会の公聴会で、一生けんめいに答えていた姿をテレビで見て、そう思った。
 
でも、豊田さんは好きだが、トヨタ自動車という企業別だ。というより、トヨタに限らず、トヨタ自動車のような巨大な企業が、ぼくはどうしても好きになれない。

1960年代のはじめに、「大きいことはいいことだ」という森永エールチョコのCMがあった。
 
♪ 大きいことはいいことだ
  おおきくなって
  おいしくなって
  50円とはいいことだ
  森永エールチョコレート

指揮者の山本直純さんが、飛行機にまたがって指揮をするCMソングがヒットした。

以来、「大きいことはいいことだ」は、チョコレートを離れて、経済大国を目指すこの国のスローガンになる。
そして、このスローガン通り、この国の多くの企業は、あれよあれよというまに大きくなり、巨大企業がいくつも誕生した。

そのころは、企業が成長し、大きくなるのは、いいことだと思われた。
それは経済発展のアカシだと思われた。
が、巨大化したものは必ず暴力化する
もともと経済というのは、人間の暮らしをよくするためのものなのに、70年代のなかばころから、現実には経済のマイナス面ばかりが目立つようになった。

公害問題。地球の温暖化問題。
さらに、不況の深刻化とともに、社員の首切りが次々に行われるようになる。

その世界では、社員の生活より、金儲けが優先する。
10人の町工場では、なかなか首が切れるものではないが、1000人の企業だとクールに首が切れる。
ひとりひとりの社員の顔が、社長には見えないからである。
そこでは、社員は数字であって、人間ではないのだ。

「1に安全、2に品質、3に量」の精神でずっとやってきた」と、
米議会の公聴会で、トヨタの副社長は言っていた。
社長や副社長個人はそう思ってきたのかもしれないが、企業という金儲けマシーンは、確実に別の論理で動いている。いまや企業という金が好物の化け物は、個人の手でコントロールできるようなものではなくなってしまったのだ。

豊田社長が、体制を根本的に改めるというのは、本気だろうと思うけれど、企業という怪物は、そんな社長の言葉をせせら笑っているに違いない。
要するに、いまの資本主義は、もう制御不能の状態になった。
根本的に改めなければいけないのは、トヨタではなくて、いまの資本主義体制だ。
社会主義がいいとか、そんなことをいってるんじゃない。
経済が経済の原点に返ることだ。

大きいことは、決していいことじゃない。


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