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ピタゴラスは古い? [ことばの元気学]

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朝日新聞に連載している「CM天気図」が1000回になって、あちこちから「よくもまあ飽きずに」とか「いいかげんにしたら」とか、うれしい声をもらいましたが、「天気図」の前に「私のCMウオッチング」というタイトルで、同じようなことを同じようなスペースで書いていたので、それを足すと、1321回になります。

で、その中には、読者の方からの反応のすごく面白いものがあって、そういうのがいちばん記憶に残ってますね。そのひとつをご紹介すると――、

1987年のセブンイレブンのCMに、こういうのがありました。
「駅からまっすぐ帰ると200メートル、セブンイレブンに寄って帰ると300メートル。でも、毎日ついセブンイレブンに寄ってしまう」
といったようなコピーで、画面に上の図のようなイラストが出ていたんです。
上の図がCMの絵と違うところは、店(セブンイレブン)のところに「直角」をあらわす記号は入っていなかったのですが、ま、直角という感じだったと思ってください。

別にぼくはどうってこともなく見過ごしていたCMなんですが、これを見た読者から、何通も「おかしい!」という手紙がきたんです。
「直角3角形の斜辺が200メートルで他の2辺の和が300メートルなんていう3角形はありえない」
「X²+(300-X)²=200² という数式に挑んだ結果、答えが虛数になってしまい、このCMに出てくるセブンイレブンは世の中に存在しないことになる。どうしてくれるんですか」
といった具合です。

で、こういう意見を紙面で紹介し、「セブンイレブンを回って帰る道は坂やデコボコが多いんでしょう」なんてテキトーなことを書いていたんですが、こんどは数学専攻の大学院生の方から、こういう投書がきたんですね。

「あれは平面上の3角形ばかり考えるからいけないのであって、宇宙のどこかの小惑星上の話だと思えばいいのであります」

で、以下むずかしい計算式が延々とつづくのですが、それを飛ばして結論を紹介すると――

「半径191メートルの球状をした小惑星の、北緯45度東経0度に駅が、北緯45度東経90度に家が、そして北極点にセブンイレブンがあればよろしい」
というわけです。

いいですねえ。非ユークリッド幾何学ですかねえ(よくわかんないけど)。でも、常識にしばられないこういう発想って、ほんと、だいじだと思います。つねに常識を疑ってみること。物事をいつも相対的に見ること……。なんてったってぼくらは、ニュートンの時代にいるんじゃない、アインシュタインの空間の中で生きてるんだから。

てなことを、きのうの佐藤可士和さんとの対談の中でもしゃべったんですが、聞いてくれた人たちにわかってもらえたかどうか。ま、それはともかく、可士和さんとけっこう中身の濃い、それでいてくだけた話ができたように思います。(くわしいことは、天野祐吉の作業室からをどうぞ。)

というわけで、「クリエイターズ・トーク」の第2回は、今月の27日(日)の午後2時から東大の福武ホールで、箭内道彦さんのお話をたっぷり聞く予定です。ぜひどうぞ。

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ご予約は前回と違って、以下のメールでどうぞ。
クリエイターズ・トーク事務局(メール:maejima@penlight.jp
お名前・電話番号・年齢・性別・郵便番号をどうぞ。

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